浦上の惨状伝える「語りべ画」 キリシタン資料館に54点

作品について語る築地さん=長崎市、浦上キリシタン資料館

 原爆投下直後の浦上をテーマに被爆画を描いてきた長崎市の築地重信さん(86)の個展「築地重信語りべ画原画展 母の風景」が、同市平和町の浦上キリシタン資料館で開かれている。
 築地さんは10歳の時、同市本原町で被爆。20年以上前から、記憶や写真を基に「『母』なるふるさと・浦上」の原爆投下直後の風景画を制作してきた。当時の惨状を子どもにもリアルに伝え、語り部の一助になればと「語りべ画」と名付けた。
 これまでに約200点を制作し、多くを学校などに寄贈。手元に残っている原画54点を同館に寄贈することを決めた。築地さんは「原爆やキリシタン迫害など先人の苦労の上に今の平和がある。それがまさにこの浦上の出来事。多くの人に来場してほしい」と話している。
 個展は8月下旬まで(月曜休館)。入場無料。

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