ひとり親家庭支援へ 雲仙から野菜と牛乳提供 「つなぐBANK」に協力

提供されたタマネギを車に積み込む山本事務局長(右)ら=雲仙市吾妻町、JA島原雲仙の総合集荷場

 長崎県雲仙市のJA島原雲仙と県酪農協連合会は、生活が苦しいひとり親家庭を支援する「つなぐBANK」事業に、ブロッコリーなどの野菜と牛乳を提供した。
 「つなぐBANK」は、一般社団法人ひとり親家庭福祉会ながさきが、県や民間団体と連携して取り組む事業。長崎市のひとり親の生活困窮世帯に隔月で食材を提供し、困りごと相談などにも応じている。規格外などで流通しない食材を提供することで食品ロスの削減を図り、持続可能な開発目標(SDGs)に沿う。
 食材は企業などから無償提供を受け、一部は寄付金で購入しているが、米のほかはレトルトや加工品、菓子が多い。生鮮品が不足するため、同法人が雲仙市を通して両団体に農産物の提供を依頼した。
 JA島原雲仙は、同市吾妻町の総合集荷場に集まった野菜のうち、流通から漏れたブロッコリーとタマネギを140キロずつ用意。県酪農協連合会は同市瑞穂町の事務所に1リットルパックの牛乳132本を準備した。同法人の山本倫子事務局長(53)らスタッフが現地を訪ねて受け取った。
 同法人は提供を受けた野菜と牛乳を132世帯に配布した。山本事務局長は「野菜と牛乳は提供が少なく、価格も高騰してなかなか配ることができず困っていた。大切な農産物を、必要とする家庭につなぐことができて良かった。受け取った家庭の親御さんだけでなく子どもたちも喜んでいた」と礼を述べた。


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