早乙女勝元さん死去 県内被爆者から悼む声 「反戦平和、心の奥深くから」

 東京大空襲・戦災資料センター名誉館長で作家の早乙女勝元さんの訃報を受け、20年以上親交があった長崎市の被爆者、末永浩さん(86)は「反戦平和を心の奥深くから考えている人だった」と悼んだ。
 長崎平和推進協会継承部会員で被爆体験の語り部をしている末永さん。早乙女さんとは第2次大戦の爪痕が残る場所を巡る「平和の旅」で、空襲を受けたドイツや英国などの都市を1998年から2009年にかけ、ほぼ毎年訪ねた。
 同センター開館など戦争の記憶の継承に尽力した早乙女さん。末永さんによると、戦時中に強制連行された中国人男性の自宅を訪ねるなど、日本の加害の側面にも向き合った。
 末永さんは「空襲の体験を原点に、平和への不屈の思いが彼の生き方にはあった。同じ過ちを繰り返さないよう、後の時代につないでいかなければ」と語った。


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