日本代表は、今年9月に36歳になるDF長友佑都についての議論が続いてる。
そこで今回は、そんな長友が務める左サイドバックのポジションを「センターバックから狙う」選手たちを特集してみよう。
中山 雄太
所属:PECズウォレ(オランダ)
長友佑都の控え一番手である中山雄太も“第一志望”はセンターバックであろう。
公称181cmとさほど大柄ではない体格、左利きでテクニックと戦術眼を備えることからボランチや左サイドバックでもプレーするように。ズウォレでも現在こそ3バックの中央を任されているがシーズン当初は左サイドバックだった。
安定した守備と貴重な左足の軌道を持ったクロス、周りとの関係性を生かした攻め上がりなど、過去日本にあまりいなかった「守備的サイドバック」としての高い資質があるかに思えた。
ただ欧州でCBをやるようになって筋力強化をしたのだろうか。最近はやや動きが重くなっているようにも映り、それ以来代表でのパフォーマンスが安定しないところは不安材料だろう。
町田 浩樹
所属クラブ:ユニオンSG(ベルギー)
昇格チームながら今季ベルギーで旋風を巻き起こしているユニオンSG。同チームでは三笘薫が脚光を浴びがちだが、1月に鹿島アントラーズから加入した町田もここにきて出場機会を伸ばしている。
ユニオンは3バックを採用しており、町田はその左側での起用となっている。堅い守備に加えて左足でのフィードでも存在感を示している。
身長190cmである彼の適正はもちろんセンターバック。ただ持久力や機動力、技術の面でも一定の水準を満たしており、鹿島時代には左サイドバックの経験もある。
センターと左サイドバックができる左利きのDFとして長友以上に中山雄太を脅かすかもしれない。
佐々木 翔
所属:サンフレッチェ広島(日本)
佐々木は森保一監督がサンフレッチェ広島を率いた頃の愛弟子であり、国内組における左サイドバックの一番手になっている。
そんな彼も本職はセンターバック。自身も「3バックの左」に適した選手であると自覚しており、そのポジションが日本代表にないことへの葛藤も抱えているようだ。
それでも左サイドバックにおいては高さや守備力といった自身の強みを生かそうともがいている。
現在広島ではドイツ人の指揮官ミヒャエル・スキッベ体制の主将を任されており、ドイツ仕様の強度を身に付けた彼が代表でも信頼を獲得できるだろうか。
伊藤 洋輝
所属:シュトゥットガルト(ドイツ)
昨夏加入したシュトゥットガルトで予想以上の働きを見せている伊藤。
かつて中村俊輔から「(元イタリア代表の10番)チアゴ・モッタのよう」と評されたように元々はMFだが、186cmの長身を生かして渡欧後はセンターバックとして定着した。
先日にはブンデスリーガの「年間最優秀新人賞」候補の6名に選出されるなど評価は高く、6月に行われる強化試合でA代表ヘの初選出が期待されている。
その彼もクラブでは左サイドバックとしても計算されている。経験値は低いが過去には最高速度34.7kmを計測しており、意外にも適正値は高いかもしれない。
冨安 健洋
所属:アーセナル(イングランド)
日本代表で吉田麻也とセンターバックのコンビを組む冨安だが、左サイドバックの“最後のピース”になるかもしれない。
アビスパ福岡の時代には守備的MFでも起用され、ボローニャとアーセナルでは右サイドバックとして活躍。並外れた汎用性は既に証明済みだ。
ケガから復帰して間もない先日のリーズ戦では、左サイドバックでの起用ながらそこでハイレベルなプレーを披露し周囲を驚かせた。
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最近センターバックのポジションには板倉滉が急成長し、若手も台頭している。冨安を左サイドで計算できるなら選択肢は大きく広がるであろう。