川崎・簡宿火災から7年 「温かいわが家」ピンチ

休業中の「日進月歩」=川崎市川崎区日進町

 川崎市川崎区日進町の簡易宿泊所(簡宿)2棟が全焼し、11人が死亡した火災は、17日で発生から7年を迎えた。

 火災後にインバウンド(訪日客)や国内旅行者を見込んで改装した一部施設では、新型コロナウイルス禍で休業を余儀なくされたところもある。コロナの収束は依然見通せないが、簡宿を「温かいわが家のような場所」として長年積み上げてきた関係者は「快適で長期泊まれる宿の強みを打ち出したい」と前を向く。

 宿泊施設運営などを手がける「NENGO HOTELS」(同区)は2018年1月、簡宿をリフォームしたゲストハウス「日進月歩」を開業した。しかしコロナ禍で20年の売り上げは前年比約7割も減り、昨年さらに落ち込んだため、昨年12月から休業している。

 コロナ禍前は海外の観光客やスポーツ選手、コンサートなどのイベントに訪れる人が主な客層だったが、客足が戻る時期は見通せない。同社は昨年12月、親会社「NENGO」(同市高津区)と合併した。

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