関西電力、唐津沖で計画 洋上風力発電事業 長崎県審査会 環境配慮書を審議

洋上風力発電事業の想定海域

 関西電力(大阪市)は、佐賀県唐津市沖で洋上風力発電事業を計画している。同市沖から平戸市的山大島にかけての海域での計画は5事業者目。長崎県環境影響評価審査会(会長・河本和明長崎大大学院教授)は17日、関電から長崎県などに提出された「計画段階環境配慮書」について審議した。
 長崎県によると、配慮書の作成は環境影響評価(アセスメント)の第1段階。関電が3月に提出し、今月6日までが縦覧期間だった。
 関電の計画によると、事業想定エリアは佐賀県が誘致候補としている海域の一部約1万4千ヘクタール。総出力は最大約67万6千キロワット。9500~1万4700キロワットの風車を最大63基設置する。風車の高さは海面から最大270メートル。
 審査会では関電側が計画概要のほか、環境や生態系、景観への影響予測、配慮方法などを説明した。委員からは、回遊魚に関する調査や地域コミュニティーの分断回避を求める意見などが出された。
 この海域への風車設置を巡っては、平戸、松浦両市の漁協などが漁業に深刻な影響があるとして反対している。長崎県などは、関係者への丁寧な説明と、理解を得ることを要請。これに対し関電は「漁場環境の維持、関係者との関係構築に努め、事業と地域の共生を図っていく」と回答した。


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