「皆に優しい駅に」西九州新幹線 県内3駅で障害者向け設備内覧会

白杖を手に点字ブロックで動線を確認する野口会長(左)=長崎市、長崎駅

 9月23日に開業する西九州新幹線(武雄温泉-長崎)の県内3駅(長崎、諫早、新大村)で26日、駅舎のユニバーサルデザインの内覧会があり、県内の障害者団体の関係者らが、駅構内のバリアフリー設備や案内表示などを見学した。
 鉄道建設・運輸施設整備支援機構によると、設計段階の2017年度に、障害者団体との意見交換会を設け、当事者の声を反映した駅舎づくりを進めた。ホームの案内板のサイズやコントラストを見直して視認性を高めたり、エスカレーターの乗降口の水平部分を延長して車いすの乗り入れをしやすくしたりして改善。子どもの授乳や高齢者の休憩などに活用できる多目的室も設置した。
 工事がおおむね完了したとして、県内6団体の約20人を招き、3駅の構内を案内した。参加者は、ホームや多機能トイレなどを見て回り、それぞれの視点から機構職員に感想を伝えた。
 県視覚障害者協会の野口豊会長は、エレベーターから乗車口まで白杖(はくじょう)で点字ブロックを確認しながら歩き「動線がわかりやすい」と笑顔を見せた。県ろうあ協会事務局の本村順子さんは手話で「開業すれば多様な人が長崎を訪れるようになる。ハード面だけでなくソフト面も充実させて、みんなに優しい駅にしてほしい」と手話通訳ができる駅員の配置を希望した。

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