五島沖に流された釣り客を救助 濱﨑さんに感謝状 海保「万が一に備えて」

感謝状が贈られた濱﨑さん(前列中央)=五島海上保安署

 五島海上保安署は25日、海に転落し沖に流された釣り客を救助したとして長崎県五島市平蔵町の会社員、濱﨑秀明さん(62)に感謝状を贈った。
 同署によると、濱﨑さんは今月8日午前8時ごろ、趣味の釣りをするため同市戸岐町間伏沖を小型ボートで航行していた際、磯から約200メートル付近に顔を上げて浮いている50代男性を発見。ボートで向かって声をかけ、海から引き上げた。男性は手に軽傷を負っただけで一命を取り留めた。
 男性は仲間2人と磯釣りをしている最中に波にさらわれた。救命胴衣は着用していなかった。現場は潮流が速く、迅速な救助が功を奏した。
 濱﨑さんは約40年前にも、近くの海で転落した2人を救助した経験があるという。岩永洋署長は「海中への転落事案が多く問題視しており、今回も危ないケースだった。感謝している」と人命救助をたたえた。感謝状を受け取り濱﨑さんは「救助できて安堵(あんど)した。こういうことがないように願っている」と話した。
 五島市を含む長崎海上保安部管内では昨年、8件の海中転落事案があり、6人が死亡している。同署はレジャーなどの際、「万が一に備えてほしい」と救命胴衣の着用や連絡手段の確保を呼びかけている。


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