ソニー 長崎TEC設備拡張へ 半導体需要好調、新工場に増築

 ソニーグループは27日、スマートフォンのカメラ向け半導体「CMOS(シーモス)イメージセンサー」を生産する長崎県諫早市津久葉町のソニーセミコンダクタマニュファクチャリング長崎テクノロジーセンター(長崎TEC)について、新たな設備拡張を発表した。世界的に好調な半導体需要を背景に、生産体制をさらに強化する。
 投資家向け説明会で明らかにした。長崎TECでは昨年4月に稼働した5棟目新工場(6階建て延べ約4万8千平方メートル)の増築が進められている。昨年着工した増築部分(同約5万4千平方メートル)は7月に稼働予定。今月、新工場をさらに増築(同約5万3600平方メートル)する形で工事に入った。投資額などは明らかにしていない。
 スマホや車載用などに使われるイメージセンサーは国内では長崎や熊本など4拠点で生産し、世界シェアは49%(2020年度、金額ベース)でトップ。月間生産は計12.2万枚(21年度第4四半期)。22年度第1四半期は13万枚を見込む。
 半導体を巡っては、産学官が連携し、本県での振興を目指す初の共同組織「ながさき半導体ネットワーク」が2月に発足するなど体制づくりが進む。拡張発表を受け、大石賢吾知事は「長崎TECの事業が拡大することは、若年層を中心に人口減少が続く本県にとって、魅力ある雇用の創出や本県半導体産業のさらなる集積に弾みがつく」との歓迎のコメントを出した。


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