県高校総体前特集 バレーボール女子(5)注目選手のライバルを紹介 高校3冠の実現に向けて存在感が増す飯山エミリ(東九州龍谷3年)

来月4日から始まるバレーボールの県高校総体。高校バレーボールの3大大会の一つ、全国高校総体(インターハイ)に出場権を手にするのは、果たしてどのチームなのか。

今回はシード校の選手たちからライバルとして熱視線を浴びている強豪・東龍の飯山エミリ。

オポジット 飯山エミリ(鹿児島・吉野東中学出身)

高校バレーボールの3大大会(インターハイ、国体、春の高校バレー)で3冠を目指す東九州龍谷(東龍)の絶対的なエースであり、キャプテンとして存在感を発揮するのが飯山エミリだ。184cmの長身を生かし、1年生の頃から全国屈指の強豪校・東龍の先発メンバーとして脚光を浴びたが、指導陣は原石で終わらせないように大事に育てている。

これまで多くの日本代表選手を育てた相原昇監督は、「ポテンシャルは日本代表を狙える逸材であることは間違いない。ただ、昔からスピードやパワー、センスを持った選手を見てきたが、彼女たちが世界で戦うことを考えた場合、個の力で対抗できるかといえば、そんなに簡単なことではない。ならば組織で戦うことが重要で、そのためにはある程度の技術はトータルで身につけさせる必要があった」と、飯山に対しバランスを考え、ある程度の基本技術を教え込んだ。

ブロック時のステップや手の出し方、レシーブ時の重心の移動など、時間をかけて妥協せず、基本動作を反復させて揺るがぬ土台を築いた。機は熟したと判断した相原監督は、今年1月に新チームになってから飯山の長所を伸ばそうと、これまでのミドルブロッカーから攻撃専門のオポジットにコンバートした。「身長とパワー、そして柔軟性を兼ね備えている。何より素直で教えたことを吸収できる」と抜群の巧緻性で、硬軟自在のスパイクが打てる点取り屋へと変貌した。

5月の全九州総合選手権大会では、東龍は抜群の存在感を見せつけ九州王者に輝いた。しかし飯山自身は決勝の重要な場面で両足がつるアクシデントに見舞われ、仲間を応援することしかできない悔しさが残った。「強い相手に勝てたことで、自分たちのバレーは間違いないと確信できた。ただ、個人としてはみんなに勝たせてもらった大会だった。今度は自分がチームを勝たせられるようなプレーをしたい」と強い覚悟を示した。

ライバルは対戦相手の全ての選手と語る飯山。「まずは県予選に勝って、インターハイでは日本一になることしか考えていない」。2020年の春の高校バレー以来の日本一に向けて、「最高で金、最低でも金」を狙う。

(柚野真也)

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