県高校総体前特集 バレーボール男子(4) 前向きに明るく勝利を目指す日田林工

バレーボールの全国高校総体への出場をかけた県高校総体が、6月4日から3日間かけて開催する。全試合3セットマッチのトーナメント方式となり、準決勝以降は勝ち上がった4チームによるリーグ戦で王者を決める。今回は男女とも例年と顔ぶれの変わった今大会のシード校を紹介するとともに、注目選手などを紹介する。

男子の第4回は、拾ってつなぐ粘りの全員バレーで初優勝を目指す日田林工。

■昨年度の主な成績■

県高校新人大会 ベスト8

春の高校バレー県予選 ベスト8

県高校総体 ベスト8

県高校総体の前哨戦である全九州バレーボール総合選手権大会大分県予選(九総予選)で日田林工が初のベスト4に入った。選手たちは「上位チームとの力の差を感じた」と口にしながらも、初の上位進出を素直に喜び、互いの健闘をたたえ合った。

4月からバレーボール部を取り巻く環境は大きく変わった。新しく着任した監督・コーチは共にバレーボール未経験。練習、試合の組み立てなど全て選手主導で行っている。その中心にいるのがキャプテンの河津成真(3年)だ。

積極的にチーム内でコミュニケーションを取り、ホワイトボードに練習メニューや課題を書き出して共有し、チーム練習を増やした。「自主性・元気・仲の良さ」がモットーの日田林工らしいチームづくり、練習法を模索している。まだまだ改善すべき点は多いが、結束力は着実に強まっているという。

その成果が現れたのが九総予選。準決勝で大分南に完敗したが、手応えも感じた。河津は「新人戦の後、決定力を上げるためにジャンプやブロックの強化に取り組んできた。それがうまくかみ合った。チーム力は着実に上がっていると思う」と振り返り、「県高校総体の目標は優勝。現時点では、上位チームに比べると技術も、高さも及ばないが、絶対に不可能なことはない」と晴れやかな笑顔で断言する。

その思いは他のチームメートも同じ。レフトの帆足樹(3年)は「苦しくなったときほど声が出る。団結力はどこにも負けない。課題を一つ一つクリアして、総体に臨みたい」、リベロの木森圭祐(同)は「うちのチームは点を取られても、取り返すだけの気持ちの強さがある。今回は上位チームの強さに圧倒されたが、いい経験になった。次に生かしたい」と県高校総体への思いを語った。

この前向きな明るさが日田林工最大の武器なのかもしれない。

4月から指導に当たる三代篤監督は「選手たちがつくってきたチーム。自ら考え、動く自主性が大きな武器になる」と選手たちに信頼を寄せ、情報を共有しつつ静かに見守る。これから少しずつチームづくりにも参加していく予定だ。

高さのない日田林工が目指すのは、拾ってつなぐ粘りのバレー。「うちのチームはみんなが軸」と河津が話すように、全員バレーで頂点を目指す。

全員バレーで決勝リーグ進出を狙う

(甲斐理恵)

© オー!エス! OITA SPORTS