西海・江島沖 洋上風力発電 「促進区域」指定へ同意 協議会

江島沖の洋上風力発電事業について同意した協議会の会合=西海市大島町、オリーブベイホテル

 洋上風力発電普及法に基づく長崎県西海市江島沖の「促進区域」指定について、地元関係者から意見を聴取する協議会(座長・池上国広長崎総合科学大学長)の第3回会合が31日、同市大島町であり、漁業操業や船舶航行など海域の先行利用状況に支障を及ばさないとして同意した。
 協議会の意見とりまとめとして、「洋上風力発電事業を通じた江島の将来像」については、事業の早期実現で江島へ移住・定着する人が増加していくことが期待されるなどと記した。
 とりまとめには発電事業者の公募から事業終了までの留意事項として「全体理念」「地域や漁業との共存」「環境配慮」など7項目を記載した。このうち「地域や漁業との共存」では、選定事業者が、今後設立される地域還元の基金に出す資金の算出方式を国側が初めて明示。公募占用計画で示される発電設備出力(キロワット)の規模に、1キロワット当たりの単価(250円)と占用計画の最大認定期間(30年)を乗じた額を目安とした。
 会合には杉澤泰彦西海市長や県、漁業関係者、航路事業者らのほか、経済産業、国土交通、農林水産の各省の担当者が出席。県や市からは賛同の意見が出され、学者や地元出席者から異論はなかった。最後に池上座長は「国には促進区域指定に必要な手続きに着手していただければと思う」と述べた。

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