補正予算「食材費対策ない」 首相にグサリ 声荒らげ反論

岸田文雄首相(資料写真)

 1日の衆院予算委員会で、岸田文雄首相が立憲民主党の泉健太代表との論戦で声を荒らげて反論する場面があった。前日に成立した補正予算を巡り「食材費値上げへの対策がない」との指摘が「グサリと刺さった」(自民党幹部)と見られる。首相から慎重答弁でかわされ続けてきた野党にとって、「弱点と新たな攻め口が見えたやりとり」(立民議員)になったという。

 「総理は『補正は万全だった』とおしゃるが、それなら今深刻な食材費の値上げにはどんなを対応したのか」。そんな泉氏の質問に首相は突然、「昨年11月には緊急経済対策を立てて…」などと補正予算以外の施策を持ち出して「トータルでは万全だ」と反論した。

 「補正で対応したのかを聞いているのですよ」との泉氏の問い直しにも「再三申し上げている通りだ」などと正面から答えず、野党席からは「『ある』『なし』で答えよ」と怒号が飛んだ。首相は「ちょっと答弁させてください」と声を荒らげてヤジを制し、予算委員長に「(審議を)ちゃんと整理して」と大声で要望。なおも騒然とする野党議員席へ「冷静に答弁させてほしい」と怒気まじりで応戦した。

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