ひとり親 介護現場の担い手に 佐世保市の移住施策 仕事と生活、両面支援へ

 長崎県佐世保市は本年度、県外からの移住を希望するひとり親家庭の支援を強化する。移住者を市内の介護施設で受け入れ、慢性的な人材不足解消と移住者の生活の安定につなげる取り組み。ひとり親家庭に特化した移住施策は全国的に珍しいという。
 市長寿社会課によると、2021年10月時点の市の高齢化率は過去最高の32.2%。人口に占める割合は年々増え、介護サービスの需要が高まっている。一方、介護の担い手不足は課題で人手が足りず休止する施設もあるという。
 支援策では、市が指定する介護施設「応援事業所」で移住した人に働いてもらい、仕事と生活の面からサポートする。移住者は正規雇用で市内の応援事業所に勤務。1年目は研修員の位置付けで働きながら正規職員の給与が保証され、年間30万円を上限に家賃補助もある。
 応援事業所側にとっては人材を確保できるのが利点。今後、夜勤の免除など柔軟な働き方で人材を育成してくれる施設を市が選定するという。
 支援条件は、中学生以下の子どもがいて最低5年間の定住意思があるひとり親家庭。移住助成金として7万円も補助する。市は本年度、5世帯の支援を想定している。
 事業の窓口となる西九州させぼ移住サポートプラザは「関係機関などと連携して介護施設の課題を解決し、移住者の生活をサポートして、地域活性化にもつなげていきたい」としている。


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