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2位までが大会新、3位も大会記録に迫る実力者がそろったレース。その中で、1人別格だった。
陸上男子1500メートル決勝。いつもなら周りの様子をうかがいながら走り始める後田築(創成館)が、この日は号砲直後に飛び出した。
「スローになるのが嫌だった。自分から速いペースに持ち込もうと決めていた」。戦っていたのは他校の選手ではない。12年ぶりの大会記録更新のみを追いかけ、ハイペースを刻んだ。
400メートルを59秒で通過。800メートルも2分2秒で流れた。井口(瓊浦)に一度だけ前を譲ったが、残り1周の鐘が鳴る前にトップを奪い返すと、そこからさらにペースアップ。終わってみれば後続に2秒以上差をつける有言実行の大会新Vになった。「まだ80%の仕上がり」と言いながらも、3分48秒66は自身2番目にいい記録だ。
昨年は6月のU20日本選手権800メートルを2年生で制し、7月のインターハイは1500メートルで7位入賞した。今夏はU20世界選手権(コロンビア)とインターハイの日程が重なっており、どちらに照準を合わせるかは今後の状況を見ながら決めていくという。
序盤から仕掛ける思い切りの良さを身につけ、ラスト勝負はめっぽう強い。自らの殻をまた一つ破った17歳は、今夏も大きな注目を集めそうだ。