五輪メダリストの血を引くサラブレッドが、初めての長崎県高総体で躍動した。陸上女子七種競技に臨んだルーキー井上(長崎日大)が、走り幅跳び以外の6種目でトップの成績を残して、いきなり栄冠を手にした。最終種目の800メートルを走る30分前には、400メートルリレーの第3走者を務めて優勝するなど、まさに大車輪の活躍を見せた。
5月に初めて七種競技に出場して4410点をマーク。今大会は4398点と悪天候の影響で記録は伸びなかったが、100メートル障害とやり投げは自己ベストを更新した。
父は2004年アテネ五輪自転車男子チームスプリントで銀メダルに輝いた井上昌己さん(42)。今もプロ競輪選手として結果を出し続けている。高校時代は陸上八種競技で日本一になったトップアスリートだ。
そんな父と同様、娘も早い段階から大器の片りんを見せていた。昨年は100メートル、200メートル、四種競技の3種目で全国中学大会の参加標準記録を破り、四種競技で全国4位入賞。高校になって混成の種目数は増えたが、スピードとパワーを兼ね備える井上にとっては好材料で、すでに九州トップレベルの力を示している。
家庭での父は「陸上の話をしても、昔から本当に素っ気ないんです」。そう苦笑いしながらも、娘は父と同じ道を選択した。「高校では七種競技で勝負したい」。見据える位置は父と同じ日本の頂点だ。
陸上女子七種 井上(長崎日大)快勝 五輪メダリストの血引く逸材 第74回県高校総合体育大会 第3日
- Published
- 2022/06/07 13:00 (JST)
- Updated
- 2022/06/07 17:50 (JST)
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