「田助ハイヤ節」継承へ 糸の会結成 イベント出演担う 長崎県平戸

地元住民に「田助ハイヤ節」を披露する「糸の会」メンバー=平戸市、田助ハイヤ節伝承館

 長崎県平戸市に伝わる民謡「田助ハイヤ節」を後世に残そうと活動する田助ハイヤ節保存会(岡山正人会長)は4日、同市大久保町の田助ハイヤ節伝承館で、中心メンバーによる「糸の会」(土肥テイ会長、約15人)の結成を報告し、地元の大久保、田助地区住民に演舞を披露した。
 糸の会は、同保存会の中で踊りと歌、伴奏を熱心に練習するメンバーで構成し、同保存会前会長でもある土肥さんの発案で組織化した。今後、糸の会が継承やイベント出演を担う。
 同日はまず、糸の会が太鼓や三味線の軽快なリズムと力強い歌声に合わせた踊りを披露し、盛んな拍手を浴びた。岡山保存会会長が「新型コロナウイルス感染状況が改善し『地元での披露を』と考えた。伝統を引き継ぐには地域の皆さんの協力が必要。参加したいと思ったら気軽に声をかけてほしい」とあいさつした。
 最後に来場者も加わって「田助ハイヤ節」と「平戸音頭」を踊り、伝統の魅力を体感。婦人会活動で踊りを覚えたという女性(82)は「足腰が弱って一緒には踊れなかったが、懐かしかった。最近はコロナ禍で人が集まることがなかった。顔見知りの人たちが元気にしているのが分かってうれしい」と感激のあまり涙ぐみながら話した。
 指導に当たった土肥さんは「もっといい田助ハイヤ節を披露できるよう、きょうをスタートにしたい」と糸の会への期待を込めた。

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