「友愛精神あふれていた」「本物の政治家」 横浜で田中慶秋・元法相しのぶ会 鳩山元首相や山下JOC会長ら参列 

「本物の政治家だった」と田中氏への弔辞を述べる藤木会長=横浜市中区のロイヤルホールヨコハマ

 保守革新対決の自民、社会両党による55年体制下で中道勢力の結集を目指し、永田町で「中道ブルドーザー」と評された元衆院議員・田中慶秋氏=享年(83)=をしのぶ会が13日、横浜市内で開かれた。大学柔道部後輩の山下泰裕日本オリンピック委員会(JOC)会長、古賀誠元自民党幹事長ら約700人が参列した。

 発起人代表あいさつで藤木幸夫・藤木企業会長は「今の政治は作り物だらけだが、田中さんは言葉も行動もうそ偽りのない本物の政治家だった」と回顧。「政権を担った当時に港湾国際化を国へ直談判してくれた。だから今の横浜港がある」と功績をたたえた。

 友人代表としての弔辞で鳩山由紀夫元首相は「親分肌で旧民社党の流れである友愛の精神にもあふれていた。その支えなくして私は総理に就けなかった」と謝意。衆院議長の弔詞を海江田万里衆院副議長が持参し読み上げた。

 田中氏は福島県浪江町の出身で東海大卒。神奈川県議3期を経て1983年に当時の民社党公認で旧神奈川4区で衆院初当選。その後は神奈川5区を地盤に通算6期務めた。新進党などを経て98年の民主党結成に参加。旧民社党系グループの中心的な役割を担い、民主党県連代表も務めた。

 国会では衆院内閣委員長などを歴任した。2012年10月に法相兼拉致問題担当相として初入閣。同年12月の衆院選で7選を果たせず14年5月に引退を表明した後は故郷の東日本大震災からの復興などに尽力し、、今年1月4日に亡くなった。

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