長崎国際大 ウクライナ避難学生受け入れへ 科目履修生として2人

 長崎県佐世保市ハウステンボス町の長崎国際大は17日、記者会見を開き、ロシアの軍事侵攻に伴いウクライナから避難した学生2人を、科目履修生として受け入れると発表した。当面1年間で10人程度を受け入れる方針で、1人につき生活費など約120万円の支援を想定しており、希望があれば、期間終了後に正規学生としての入学もサポートしていく。
 避難学生に学業、研究を継続させるための環境を提供するのが目的。科目履修生として受け入れるのは県内の大学で初の取り組みで、履修科目の正規の単位が得られる。授業料を免除し、住居や渡航費も提供。日本語教育プログラムも用意している。
 同大はウェブサイトなどで、大学進学希望者を対象にウクライナから学生を随時募集。また、資金確保の手段の一つとして、クラウドファンディングを活用していく。
 受け入れる学生は、原子力発電所のある南東部サポリージャ出身の17歳男性と、北東部スムイ出身の18歳男性。2人の住居はロシア軍の攻撃で破壊されており、それぞれチェコ、ドイツに避難。ともに高校を卒業し、大学進学を考えていたという。22日に長崎入り、7月上旬に入校式を予定している。
 安東由喜雄学長は「戦争によって祖国が破壊され、近隣諸国に逃げ込んだ学生に、学習の機会を与えたい。ウクライナの復興に向けて、教育をして送り出す必要がある。大学を挙げてサポートすることが、平和を願うことになる」と語った。


© 株式会社長崎新聞社