キューピーちゃん 衣替えしてお出迎え 注目集め写真スポットに 対馬・伊原商店

季節ごとにキューピー人形を着せ替えている森山さん=対馬市、伊原商店

 長崎県対馬市厳原町の小茂田地区にある「伊原商店」店主、森山美佳さん(55)が、大小約20体のキューピー人形に、季節やイベントに合わせた衣装を着せている。来店客からは「癒やされる」「かわいい」と人気。最近は交流サイト(SNS)の写真スポットとしても注目を集めている。

 同店は約50年前、鎌倉時代の元寇(げんこう)で討ち死にした宗家初代当主らをまつる小茂田浜神社近くで創業。日用品や土産物、地元住民のハンドメイド作品などを並べている。先代の父が死去した2018年、森山さんが福岡県からUターンして後を継いだ。
 人形は地域を盛り上げようと、地元の主婦から借り受けて同年から設置。季節の行事にちなんだ衣装を着せ替えている。入学シーズンの4月初旬はランドセル姿。中旬以降は、端午の節句に合わせて陣羽織やかぶとに着せ替えた。6月は「ジューンブライド」にちなんで花嫁花婿姿にしている。衣装は地区の家庭にあったものや、森山さん手作りのものを使っている。

季節のイベントにちなんだ着せ替え人形がある「伊原商店」。厳原港から車で約20分

 交通安全運動期間中は、対馬南署などで警察官の制服姿になって地域を見守り、地元小学校の卒業式にはかま姿で“出席”したりするなど、地域行事にも参加する。
 最近は人形を見るために来店する人も増えてきた。子どもを連れて来て人形と一緒に写真撮影する親もいるという。森山さんは「人形がいるだけで明るく、華やかになる。地区の“アイドル”になってほしい」と話した。

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