サッカーJ2 V長崎、5試合負けなし 秋田と0-0 原田監督代行は3戦無敗

【V長崎-秋田】後半7分、相手のCKをパンチングで防ぐV長崎のGK富澤=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 明治安田J2第23節第1日(25日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=4試合)V・ファーレン長崎は秋田と0-0で引き分けた。4連勝を逃したが、これでリーグ戦5試合負けなし。通算10勝5分け8敗(勝ち点35)の暫定5位とした。
 前半をスコアレスで折り返したV長崎は後半9分、長い距離を持ち上がった澤田を起点に左サイドを崩して植中がクロスを供給。中央でエジガルジュニオが合わせたが、秋田のGK田中が足に当ててゴールならず。逆に21、23分とペナルティーエリア内から立て続けにシュートを打たれたが、枠外にそれてピンチを脱した。37、38分の決定機は相手の堅守に阻まれた。
 3位仙台は山形と1-1のドローで4戦勝ちなしとなった。岡山も終了間際の失点で水戸と引き分け、勝ち点36で暫定4位。九州勢対決の熊本-大分はアウェーの大分が2-1で競り勝った。
 第23節最終日は26日、各地で7試合を実施。第24節は7月2、3日、各地で計11試合が行われ、V長崎は2日午後6時から、甲府市のJITリサイクルインクスタジアムで暫定12位の甲府と対戦する。

■「ミスターV・ファーレン」 原田監督代行 3戦無敗でバトンタッチ

試合終了後、ベンチで選手らをねぎらう原田氏=トラスタ

 指揮官不在のV長崎が、公式戦3試合を2勝1分けの無敗で乗り切った。12日に松田監督が解任され、次期監督就任までの空白期間を臨時で率いたのはU-18チーム監督の原田武男氏。「まだまだ自分自身、力及ばないところもあった。ただ、今のチームは非常に勢いがある。そこは次の監督に託したい」。大役を務め上げた50歳は小さく息をついた。
 従来の戦い方を踏襲しながら、プラスアルファで求めたのはペナルティーエリア付近の大胆さだ。司令塔がいい形で収めた際に「攻撃のスイッチを入れる」意識を共有。人数をかけて点を取りに行くように軌道修正すると、チームは3試合で計5点を記録した。
 中でも22日の天皇杯3回戦、FC東京戦は会心の采配だった。ユース出身の教え子である江川と安部をスタメン起用し、さらに2-2の緊迫した場面で現ユース所属の七牟禮、古田の高校生2人を相次いで投入。延長に決勝ゴールを決め、日本代表の長友らを擁するJ1クラブから金星を挙げた。
 国見高、早大を経て全盛期は横浜フリューゲルスなどで活躍した。2005年にV長崎が発足した際の初代メンバーで、10年の現役引退後は裏方で支え続けている。長崎を離れたのは17年にJ3北九州の監督を務めた1年間だけ。「ミスターV・ファーレン」の愛称は誰もが認めるところだ。クラブの正念場をレジェンドが救った。


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