思惑絡み 大物続々来県 自民、立民両幹事長も舌戦 参院選栃木選挙区

街頭演説する自民の茂木幹事長(右)と支持を訴える立民の西村幹事長

 参院選栃木選挙区(改選数1)の立候補者の応援のため、自民党の茂木敏充(もてぎとしみつ)、立憲民主党の西村智奈美(にしむらちなみ)両幹事長が27日、本県入りし、物価高や消費税を巡り激しい舌戦を繰り広げた。過去の選挙に比べ、今回は序盤から各党幹部が続々と来県。選挙区の公認候補の勝利に加え、比例票の上積み、党勢拡大、生き残りなど各党さまざまな思惑がにじむ。

 茂木氏は午後2時半過ぎ、JR那須塩原駅前で現職候補と共に演説。野党が掲げる消費減税を「選挙になると年中行事のように話をする」と批判し、減税すれば社会保障分野の財源を3割削減する必要が生じると主張した。

 「現実的で効果的な施策を実行する与党がいいのか、非現実的で批判だけを繰り返す野党がいいのかが問われる」と声を張り上げた。

 午後から益子など3町で新人候補と街頭に立った西村氏は「給料も年金も下がるのに物価だけが上がっているのは先進国で日本だけ」とし、要因はアベノミクスの失敗にあると指摘した。

 物価高対策では消費税の時限的な減税や最低賃金の引き上げを提案し「自民の幹事長は消費税を下げたら年金が3割減ると言う。脅しに屈せず一緒に立ち上がってほしい」と呼びかけた。

 22日の公示前から自民は安倍晋三(あべしんぞう)元首相が来県し、25日は世耕弘成(せこうひろしげ)参院幹事長が駆け付けた。茂木氏も既に2度目の応援。大物投入の狙いを、県連幹部は「幹事長のお膝元で圧勝するため」と語る。

 立民も泉健太(いずみけんた)代表や小川淳也(おがわじゅんや)政調会長、枝野幸男(えだのゆきお)前代表が本県入り。「投票率を上げなくてはならないのと、候補者への評価が高く期待が大きいため」と陣営幹部は説明する。

 日本維新の会は、公示前に副代表の吉村洋文(よしむらひろふみ)大阪府知事、公示後は馬場伸幸(ばばのぶゆき)共同代表が来県。28日には松井一郎(まついいちろう)代表が訪れ、地盤のない本県での党勢拡大を目指す。

 共産党は7月1日、小池晃(こいけあきら)書記局長が宇都宮市内で街頭演説の予定で、比例票の上積みを狙う。

 NHK党は25日に浜田聡(はまださとし)政調会長が同市内で演説した。政党存続が懸かる社民党は福島瑞穂(ふくしまみずほ)党首が23日に同市内で支持を訴えた。政治団体の参政党も幹部の来県を予定している。

街頭演説する自民の茂木幹事長=27日午後、那須塩原市大原間西1丁目
支持を訴える立民の西村幹事長=27日午後、益子町七井中央

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