リケジョを支援する道

 男女の子どもがいる知人から聞いたことがある。「不思議なもんでね、ちっちゃい時から男の子は乗り物のおもちゃ、女の子は人形で遊びたがるんだよ」▲生来、好奇心の向きには男女差がある、という見方だが、どうやらそれには思い込みも交じっているらしい。「好奇心にジェンダー(性差)は関係ない!」。こんな標語を掲げる東京のおもちゃ会社の試みが、先ごろの紙面にある▲日曜大工を楽しむ「DIY女子」の流行をきっかけに、その会社は電動ドライバーで箱を組み立てるおもちゃを売り出した。女の子に大好評だったという。「ドライバーで遊んでみたかった」と▲玩具会社などの近年の調査によれば、娘に料理や芸術、息子には科学など理系にまつわる遊びを親が勧める傾向がある。女の子はこっち、男の子はそっち。そんな方向付けが社会に根強いのだろう▲女子中高生が理系分野に進むのを支援しようと、佐世保市の長崎国際大、佐世保高専など4校が合同で、学ぶ機会を提供すると発表した。理系女子、リケジョの講演などを企画するという▲理系の女子の先輩が少なく、理工系について知る機会がない。そのまま高校で文系に進む…。背景には女子のこうした事情があるらしい。「女子はこっち」から「どっちも」へ。その道しるべになるといい。(徹)

© 株式会社長崎新聞社