ジャンボに育った復興のシンボル―。西日本豪雨で被災した総社市の昭和小(同市美袋)に植えられた“復興ヒマワリ”が、高さ3メートルを超える大きさに成長し、児童らを驚かせている。
被災翌年の19年に市が「復興の象徴に」と学校や地域に種を配ったのをきっかけに、同小では毎年児童がヒマワリを育てている。大きくなったのは中庭で昨年のこぼれた種が発芽したもの。茎が例年より1メートル以上高い約3.5メートルにまで伸び、6月中旬から黄色の大輪を咲かせ始めたという。
3年生10人が交代で毎日の水やりなど世話を続けている。中心となって活動する自然係の斎藤煌太君(9)と飯田ちとせさん(8)は「こんなに大きくなるなんて。校舎の2階に届くかと思った」とびっくり。
同小がある昭和地区は、市内最大の被災地で、当時は高梁川の氾濫で全世帯の3分の1に当たる約400世帯が床上浸水した。同小も被災したが、体育館には多いときで126世帯259人が避難するなど、地域の支援拠点としての役割も果たした。
風早千帆校長(55)は「被災の記憶は風化させてはいけない。ヒマワリと共に防災への思いを語り継いでいきたい」と話している。