南島原産レモンでタルト 島原農高生、梅月堂など開発 15日から期間限定販売

南島原産レモンを使ったタルト「レモッタ」をPRする村里さん(左)と稲田さん=島原市、島原農業高

 長崎県島原市下折橋町の県立島原農業高の食品加工部(27人)の生徒たちが、洋菓子店「梅月堂」(本店長崎市)などとコラボレーションし、南島原産レモンを使ったタルト「レモッタ」を開発した。15日から約2週間の期間限定で、梅月堂の県内全10店舗で販売する。
 南島原市南有馬町でかんきつ類を生産する「はじめ農園」の馬場一さん(75)が昨年4月、同校に開発を依頼。同農園では農薬や化学肥料の使用を抑えて栽培するため、年間生産量約15トン(昨年)のうち、2割程度が果実のままで出荷できない。ジュースなどの1次加工にとどまっているレモンの用途を広げ、付加価値を高める狙いがある。
 レモッタは、サクサクとした生地の上に、クリームとムースの2層の食感が楽しめるタルト。生徒らは、レモンの風味と色合いを生かした洋菓子にしようと試行錯誤を重ねた。生地やクリーム、ムースにレモン果汁を混ぜ、爽やかな酸味と、ほのかな黄色い色味が特徴。直径約7センチ、高さ約4センチの食べやすい大きさに仕上げた。
 チーズやヨーグルト作りの副産物で、通常は廃棄される乳清(ホエイ)もクリームに活用し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも配慮した。
 村里彩夏さん(17)=食品サイエンス科2年=は「商品化できてうれしい。全国の人に知ってもらいたい」、稲田千穂さん(16)=同=は「酸味を抑える思案が大変だった。この商品で地元産レモンのPRになれば」と話す。販売価格は税別481円。


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