第104回全国高校野球選手権岡山大会第5日は13日、倉敷市のマスカットスタジアムなどで1回戦6試合と2回戦3試合が行われた。
2回戦では、岡山工が今春のセンバツに出場した倉敷工を延長十二回の末、7―6のサヨナラで下し、16強入り。Aシードの光南と岡山東商も3回戦進出を決めた。
12日に雨のため岡山県大会では初の継続試合になった1回戦2試合は中断時点から再開し、岡山南は4―1で昨夏4強の就実を破り、玉島商は10―0の五回コールドで倉敷南に大勝した。他の1回戦は、倉敷が2―1で日新との延長戦を制し、津山商は8―1で津山高専に八回コールド勝ち。西大寺、玉野商工も初戦を突破した。
第6日の14日は同スタジアムなど3球場で2回戦8試合がある。
▽2回戦
岡山工、逆転サヨナラ
倉敷工
001020110001｜6
200110001002x｜7
岡山工
（延長十二回）
▽三塁打 増田▽暴投 高山4、人見2▽捕逸 藤沢
【評】岡山工は1点を追う延長十二回、死球で出た岩端が三つの暴投で生還。四球と二つの申告敬遠で塁を埋めた1死満塁から、逸見が中前に運んで4時間に迫る激闘に終止符を打った。4―5の九回は黒岩の中犠飛で追い付いた。主戦人見が12回を自責点3で踏ん張り、勝機を呼び込んだ。
倉敷工は5安打に終わり、エース高山は10与四死球。九、十二回は守りが乱れた。
光南 そつなく得点
光南
010101310｜7
000000021｜3
芳泉
▽三塁打 高木▽二塁打 杉原、斉藤▽暴投 田野、井上
【評】12安打の光南が終盤に畳み掛けた。七回は1死から杉原、斉藤、高木の3長打などで3点を奪い、八回は杉原の左前適時打で加点した。盗塁や犠打を絡め、そつなく好機をつくった。先発の佐藤が7回を無失点に抑えたが、2番手以降が暴投や四死球で乱れた。
芳泉は八回に村上の適時打で2点を挙げ九回も押し出し四球で1点を返したが、反撃が遅すぎた。
岡山東商 着実加点
古城池
0000010｜1
2101112x｜8
岡山東商
（七回コールド）
▽二塁打 上田、三沢、金子▽捕逸 細井
【評】岡山東商が着実に得点を重ねた。一回、小島の左前打を足掛かりに犠打と那須の左前適時打で幸先よく先制。二回は三宅の左前適時打、四回は光森の中犠飛で1点ずつ加えた。ただ12残塁は反省点。先発の右腕長谷川は5回2安打無失点で流れを引き寄せた。
古城池は一回1死二塁など再三の好機に攻めあぐね、投手陣も踏ん張れなかった。
▽1回戦
岡山南 逃げ切る
岡山南
001110001｜4
000010000｜1
就実
（継続試合、八回表から再開）
▽二塁打 山本嵐、橋井、山根、妹尾
【評】岡山南の主戦右腕久保田が緩急を巧みに前日に続きマウンドを守り抜いた。打線は三回に先制スクイズを決めた奥田が九回2死満塁から中前適時打を放ち、ダメ押しした。2日間で計17残塁の決定力不足が課題に残る。
就実は再開後の出塁が妹尾の二塁打のみと反撃できなかった。投手陣が計11与四死球、バックも5失策と守備でリズムを崩したのが響いた。
玉島商、攻守に圧倒
倉敷南
00000｜0
1252X｜10
玉島商
（五回コールド。継続試合、二回裏から再開）
▽三塁打 竹田2、広瀬▽二塁打 真加部
【評】玉島商が攻守に圧倒した。1―0から試合が再開された二回、1死一塁から竹田の中越え三塁打と吉田のスクイズで2点を加点。三回は1死満塁から押し出し四球、竹田と広瀬の三塁打など4長短打を集め、5得点で大勢を決めた。右腕村上は4回2/3を1安打と危なげなかった。
倉敷南は右腕三宅が粘れず、安打は五回に吉田響が放った左前打のみ。
倉敷 延長戦制す
倉敷
0000000101｜2
0001000000｜1
日新
（延長十回）
【評】倉敷が逆転で延長を制した。延長十回、坂本の中前打と二盗、大迫の左前打で2死一、三塁とし、原が右前に決勝適時打を放った。八回も2死から大迫が同点打と粘りがあった。原ら3右腕の継投も機能した。
日新は133球を投げた橋本を無失策のバックが支え、よく守った。増田の犠飛の1点にとどまった攻撃は3併殺や2度の盗塁死が悔やまれる。
津山商 7安打8点
津山高専
00010000｜1
20020202x｜8
津山商
（八回コールド）
▽三塁打 谷口▽二塁打 江見、山本颯▽暴投 江見、勇▽捕逸 山本、小坂田
【評】津山商が7安打8得点でコールド勝ちした。一回2死一、二塁から田村の中前打に敵失が絡み2点を先制。四回は山本颯の左越え二塁打で2点を挙げるなど、着実にリードを広げた。投げては田村、坂部の継投で1失点と踏ん張った。
津山高専は3度の満塁機を逸し、江見の二塁打で挙げた1点のみ。投手陣も計14与四死球と乱調だった。
西大寺、3回集中打
津山工
000001101｜3
20400101X｜8
西大寺
▽二塁打 小坂田、三宅、谷口、妹尾▽暴投 小椋
【評】西大寺は序盤に畳み掛けた。一回は1死一、三塁から楢崎の犠飛で先制し、四球を挟んで追鳥が中前適時打。三回は三宅の左翼線適時二塁打、小椋の2点中前打など5長短打に三村のスクイズも絡め4得点した。3失策の守備は反省点。
津山工は四回途中から救援した左腕宍戸が立て直し、後半は押し気味に進めただけに、序盤の失点がもったいなかった。
玉野商工、完封勝ち
玉野商工
002110100｜5
000000000｜0
朝日
▽二塁打 浜野▽暴投 片山
【評】玉野商工は右腕金川が9回をシャットアウト。内角を巧みに突いて被安打3、与四死球2で二塁を踏ませない出色の内容だった。攻めては三回、杉谷の中前打を足場に2死満塁とし、原田が左前に先制の2点適時打。その後も盗塁や犠打を絡めて加点した。
朝日は主戦片山が粘り、バックも無失策でもり立てたが、好機をつくれなかった。
