紙の魔術師、人物や風景 立体的に 新見美術館、16日から特別展

作品「Twilight Talk」

 国内外で人気を集めるペーパーアート作家・太田隆司さん=東京都在住=の作品を集めた特別展「紙の魔術師太田隆司 ペーパーアート展」が16日、新見市西方の新見美術館で開幕する。会場には「海外の街並み」などをテーマに、カッターと紙だけで、人物や風景を立体的に再現した作品約80点が並ぶ。同美術館は「多くの人に楽しんでもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 作品「Twilight Talk」は街中に止まった車とその周囲で会話している通行人を描写。「SFF」では細い山道ですれ違うスポーツカーの迫力を表現し、「赤い路地裏」は路地裏のオープンカーの横でポーズを決める女性を捉えた。

 作品の多くは幅約50センチ、奥行き約20センチ、高さ約50センチで表現され、カッターで切り取った紙を幾重にも貼り重ねて作った人物や建物、乗り物などを配置し、濃淡が微妙に異なる紙で陰影を表すことで、自然な立体感を生み出している。

 同美術館周辺の景色をモチーフにした新作もあり、藤井茂樹館長(56)は「鋭い観察眼と技巧で、独自の世界を創出する太田さん。紙が持つ無限の可能性を感じさせ、子どもからお年寄りまでが楽しめる作品ばかり」と話している。

 初日の16日には太田さんが来館。午前10時から作品解説、同11時からは作品に登場する犬を実際に制作するワークショップ(参加費500円)が開かれる。

 9月4日まで。午前9時半~午後5時。入館料は一般800円、大学生500円、中高生300円、小学生200円。問い合わせは同館(0867―72―7851)。

作品「SFF」
作品「赤い路地裏」

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