栃木県がコロナ警戒度「2」に引き上げへ 行動制限はなし

栃木県庁

 新型コロナウイルス感染者の急拡大を受け、栃木県が警戒度を5段階で真ん中の「レベル2(警戒を強化すべきレベル)」に引き上げる方針を固めたことが14日、分かった。6月末に休止した無症状者対象の無料検査や臨時医療施設も再開する方向で検討している。県民・事業者への行動制限は行わないが、夏休みやお盆の時期を控え、都道府県をまたぐ移動や大人数・長時間の会食への注意喚起を行うとみられる。

 15日に対策本部会議を開いて最終決定する。警戒度レベルの引き上げと無料検査の再開は、16日からとなる見込み。

 県は感染者の減少を受け先月25日、警戒度レベルを5カ月ぶりに「レベル1(維持すべきレベル)」に引き下げ、病床逼迫(ひっぱく)に備えて設けた臨時医療施設と感染拡大傾向時の無料検査を休止した。

 しかし7月に入り、感染が広がりやすいとされるオミクロン株の新たな派生型「BA・5」への置き換わりが県内でも進み、感染が急拡大。福田富一(ふくだとみかず)知事は12日、「本県も第7波に入った」との認識を示しており、わずか20日余りで再び警戒度レベルが引き上げられることになる。

 14日も752人の新規感染者が確認された。13日現在の病床使用率(18.6%)、重症病床使用率(0%)の警戒度はレベル1以下だが、直近1週間の検査陽性率(37.7%)と人口10万人当たりの新規感染者数(127.9人)はレベル3以上となっている。

 新規感染者の年代別では40代以下が大半を占めており、県は若者へのワクチン3回目接種も呼びかける。

 政府は帰省や旅行が増える8月に全国の主要駅などで感染の有無を短時間で調べられる無料検査拠点を設ける方向で調整している。県内では春の大型連休中にJR宇都宮駅に設置されており、今回も設置に向け準備を進める方針。

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