長崎、佐賀知事 武雄温泉駅を視察 九州新幹線長崎ルート・未着工区間 意見交換継続を確認

武雄温泉駅を視察する大石知事(中央)と山口知事(右)=佐賀県武雄市

 大石賢吾長崎県知事と山口祥義佐賀県知事は16日、今年9月開業の西九州新幹線の武雄温泉駅(佐賀県武雄市)を視察。九州新幹線長崎ルートの未着工区間の同駅-新鳥栖の整備方式について今後も意見交換することを確認した。
 長崎県は同区間のフル規格整備を望んでいるが、佐賀県は地元の財政負担や在来線の在り方など複合的な課題があるとして「求めていない」との立場。両知事は駅構内で非公開で会談し、記者団の取材に応じた。
 大石知事は「どういった形であれば佐賀県が(フル規格の)メリットを享受でき、デメリットを小さくできるか一緒に知恵を絞りたい」と述べた。山口知事は「両県で合意できるところを進めることが大切」と述べた。
 また佐賀県民の56.2%がフル規格整備に「賛成」「どちらかといえば賛成」と考えていることが先の参院選時に地元紙の世論調査で明らかになった。山口知事は「私も新幹線は好きだ。つなぐかつながないかと言われたら、誰でもつないだ方がいいと思う。だが(フル規格整備で)便利な特急の減便や地元負担の大きさといった問題がある。(佐賀駅を通る)アセスルートありきではなく、さまざまな可能性について国と議論したい」と述べた。
 このほか、両知事はJR佐世保線に交通系ICカードを導入できるよう取り組む方針を確認した。


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