茅ケ崎の養護学校教諭、プロレス参戦 「共生」訴えリングに

共生社会を訴えるため披露されたプロレス=茅ケ崎市菱沼1丁目

 共生社会への理解を深めてもらおうと、神奈川県立茅ケ崎養護学校(茅ケ崎市)の教諭が「共生プロレス」と銘打った活動に取り組んでいる。知的障害者19人が犠牲となった津久井やまゆり園事件から、26日で6年。17日には市内の催し「げんき村マルシェ」に出展し、「ともに生きる社会かながわ憲章」を題材にしたプロレスを披露した。

 活動は、同校総括教諭の小川和豊さん(59)らが昨年から始めた。地域活性化をうたう「ちがさきプロレス」(戸田秀雄代表)と関わる中で、養護学校にゆかりのある覆面レスラーが登場したら、もっと同校のことを知ってもらえるとの思いがきっかけだった。

 「プロレスには『共生』や『多様性』を受け入れる素養があり、それらを表現するためのツールがある」と小川さんは言う。

 ちがさきプロレスのリングに上がることは実現しなかったものの、教員らが共生プロレスという新たな取り組みを開始。地域のイベントでお披露目するようになった。

 同校校歌に「きらめき」という歌詞が使われ、文化祭の名称も「きらめき祭」としていることにちなんで、レスラーのリングネームは「きらめキッド」と名付けた。

 この日は、きらめキッドと茅ケ崎の民話「河童徳利(かっぱどっくり)」に由来した「カッパトック・リー」が対戦。約30人の来場者が見守る中、きらめキッドが5分30秒で勝利を収め、「障害のあるなしにかかわらず、誰もが安心して暮らせる社会を目指そう」と訴えた。

 小川さんは「これからもさまざまな地域で共生の円(りんぐ)を広げていきたい」と話している。

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