大崎が打ち合い制す 悲願の「夏の甲子園」へ貴重な1勝 第104回全国高校野球長崎大会 第8日

【3回戦、長崎総合科学大付―大崎】3回裏大崎無死、田栗が右越えに勝ち越し本塁打を放つ=県営ビッグNスタジアム

 悲願の夏の甲子園出場を目指す大崎が昨秋1-0で苦戦した長崎総合科学大付を退けて準々決勝へ進出。清水監督は「トーナメントを見て、この試合が重要だと思っていた。それだけに気合が空回りした」と15安打5得点のやや非効率な攻撃を反省しながらも、いつも以上に表情を崩して貴重な1勝をかみしめた。
 攻撃で魅せたのは1-1の三回。先頭田栗が追い込まれた後の甘い変化球を完璧に右翼席へ運ぶと、山口の左中間二塁打を挟み、中村も右越え2ランを放り込んだ。見送ればボールの高めの直球だったが、本格派を相手に前で捉える意識を共有してきた分「自然といい形でバットが出た」。クリーンアップ3人で豪快に3点を勝ち越した。
 投げては背番号1の勝本が4月以来の公式戦登板。左肘の故障で前哨戦のNHK杯はベンチからも外れ、さまざまな臆測も呼んでいた。この日は最速137キロにとどまって3失点。久しぶりの実戦で課題と手応えの両方を確かめた上で、大会屈指の左腕として最後の夏に懸ける意欲がみなぎっていた。
 昨季のメンバーが多く残る中、今季まだ無冠。ただ、エースの復調に加え、清水監督も選手たちも「振れている」と自負する打力でチームは上昇気流に乗ってきた。次は昨夏決勝で惜敗した長崎商が相手。主将の田栗は「基本に立ち返り、まずはミスなく守る。リベンジしたい強い思いをしっかりパフォーマンスとして出していく」と誓っていた。


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