日米親善「青い目の人形」の歴史学ぶ 島原の小学校で平和学習

リトルメリー(奥)やジョアンナを間近に見る児童ら=島原市城内1丁目、市立第一小

 戦前、日米の友好親善を願い米国から贈られた「青い目の人形」が残る長崎県の島原市立第一小(平田賢校長、497人)で14日、平和学習があり、4年生76人が人形の歴史を学びながら平和について考えた。
 有志でつくる「島原親善人形の会」(大隅謙一郎代表)が、ほぼ毎年実施。同会によると、青い目の人形は、米国で排日運動が高まった1927年、親日家の宣教師シドニー・ギューリック博士の呼びかけで、日本に人形約1万2千体が贈られた。日本からも本県の「長崎瓊子」など返礼人形58体が海を渡った。
 開戦後、人形の多くは敵国の人形として焼却処分された。同校では戦後、ひな人形の箱に隠すように保管されているのが見つかり、児童から「リトルメリー」と名付けられた。県内には214体が贈られたが、確認されているのはリトルメリーを含め2体のみ。
 平和学習では同会の北田貴子事務局長(54)が、こうした人形の歴史を説明。リトルメリーやギューリックさんの孫が2005年に同校に贈った人形「ジョアンナ」も紹介し「互いの国や人を知ることが、平和につながるとの思いが人形に込められている」と強調した。相川瑞希さん(9)は「思いやることで国と国が仲良くなれる。友だちともけんかをしないようにしたい」と話した。


© 株式会社長崎新聞社