特急かもめ20本運休 27日から10日間 JR九州、コロナで乗務員不足 特急ソニックは100本

 JR九州は25日、新型コロナウイルス感染者らの急拡大で乗務員の確保が困難になったとして27日~8月5日まで10日間、博多-長崎の特急かもめ20本と博多-大分の特急ソニック100本の計120本を運休すると発表した。感染拡大に伴い乗務員が不足し運休するのは初めて。県内の各交通機関も人繰りに苦労しており、感染拡大が続けば市民の足への影響が広がりそうだ。
 同社によると、かもめは1日上下52本運行し、このうち博多-長崎は44本。運休するのは博多発午前10時15分-長崎着午後0時20分の「かもめ91号」と、長崎発午後3時46分-博多着午後5時52分の「かもめ94号」の2本。
 ここ数日、運転士や車掌といった乗務員の感染者や濃厚接触者が急増。25日時点で乗務員38人が感染や濃厚接触で休んでいるという。別の乗務員による休日振り替えや他部署からの乗務員経験者の派遣で対応してきたが、「感染拡大のピークがいまだ見えない」として運休を決めたという。
 運休に伴い乗車を見合わせる場合、切符の払い戻しは手数料なしで応じる。運休期間を延長する場合は各メディアやホームページなどで改めて周知する。
 県内の公共交通機関も乗務員確保に苦労している。「日々綱渡り状態で、いつ(運行への支障が)出てもおかしくない」。長崎自動車(長崎バス、長崎市)の担当者はこう話す。感染または濃厚接触となった運転手の代わりは別の運転手がカバーするが、労働基準法で定められた時間以上の勤務はできないため、対応に頭を悩ませているという。島原鉄道(島原市)でもこれまで感染者が出たが、運休するまでは至っていない。今後人繰りが難しくなった場合に備え、運行計画を練る必要性を感じているという。


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