「真実を知って」 ウクライナ人ジャーナリスト 長崎で講演

ウクライナ国内の被害状況などを説明するシェフチェンコさん(右)とメーヒさん=長崎市尾上町、出島メッセ長崎

 ロシアによる侵攻が続くウクライナで取材活動を続ける同国のジャーナリスト、セルヒイ・シェフチェンコさん(61)とリュドミラ・メーヒさん(70)が24日、長崎市内で講演し、「私たちが行っているのは武器ではなくペンを持って戦う情報戦。多くの人にロシアがウクライナで何をやっているか、真実を知ってほしい」と訴えた。
 2人は夫婦でシェフチェンコさんは通信社特派員、メーヒさんはジャーナリストの支援団体会長。侵攻開始後は首都キーウ(キエフ)からコソボに拠点を移し、活動を続けている。
 シェフチェンコさんは、ロシアがチェルノブイリ原発など核施設を攻撃した行為について「全世界に恐怖を与え、許すことはできない」と非難。会場からは、1994年にウクライナが核兵器を放棄した歴史を踏まえ「(ウクライナ国内に)核兵器を残していたほうがよかったという意見はあるのか」との質問が飛び、「一発でも使えば全世界に被害が及ぶ。(国民は)核は絶対に使ってはいけないと知っている」と応じた。
 メーヒさんは罪のない多くのウクライナ市民が犠牲になっている現状を嘆き、世界各国が連携して「悲劇を止めなければいけない」と強調。「この戦争が終われば、世界中がもっと平和になることを心から信じている」と続けた。
 講演会は、ウクライナの実情を広く伝えることを目的にグリーンコープ生活協同組合連合会が主催。会場とオンラインで計約60人が参加した。


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