栃木県内は27日午後から夜にかけて大気の状態が不安定になり、激しい雷雨に見舞われた。宇都宮や大田原など6市町で大雨警報が発令され、高根沢町では一部地域で避難指示が出された。日光市内では土砂崩れが発生。同市と高根沢町の計12棟で床上・床下浸水した。落雷が原因の可能性がある火災や停電など、各地で被害が相次いだ。
宇都宮地方気象台によると、午後10時までの最大の1時間降水量は那須烏山で53.5ミリと7月の観測史上最大を記録。大田原でも56.5ミリを観測した。
県によると、高根沢町上高根沢を流れる五行川では水位が上昇。両郡橋周辺で警戒水域を超えたため町は同日午後7時、周辺5軒に避難指示を出した。町内2カ所に避難所を開設した。同町では床上浸水2棟、床下浸水6棟を確認。日光市でも4棟が床下浸水した。
同市中鉢石町では飲食店裏手の石垣が崩れ倉庫に土砂が入った。店主男性(61)によると、幅5メートルほどが崩れた。
県警によると、午後4時15分ごろ、宇都宮市下ケ橋町の2階建て住宅から煙が上がっているのを近隣住民が見つけ、119番。2階部分などを焼いた。出火当時は無人だった。同5時ごろには高根沢町亀梨のゴルフ場でカート置き場の屋根などを焼いた。いずれも落雷の可能性があるという。
那須塩原市の北那須浄水場では落雷で浄水ができない状態となった。
東京電力パワーグリッドによると、午後3時半ごろから県央を中心に各地で停電が発生。同10時までに県全体で1万8380軒が停電した。宇都宮市内では信号機の滅灯もあった。
JR東日本によると、大雨により午後4時15分ごろから烏山線の宝積寺-烏山駅間の上下線で運転を見合わせた。午後10時時点で再開の見込みは立っていない。宇都宮線氏家駅では午後8時20分ごろ、信号機が赤のまま切り替わらなくなり、宇都宮-黒磯駅間の上下線で運転を見合わせた。約1時間後に再開。上下6本が最大45分遅れ、約550人に影響した。