被爆体験者救済 国へ働きかけて 大石知事に要望

大石知事(左)に要望書を手渡す(右から)岩永さん、山内さん=県庁

 長崎原爆の日(8月9日)を前に、原爆投下時に国の指定地域外にいて被爆者と認められていない「被爆体験者」らが27日、県庁で大石賢吾知事と面会し、高齢の体験者救済を国に強く働きかけるようあらためて求めた。
 広島原爆の「黒い雨」被害救済を巡る国の被爆者認定新基準は、長崎で黒い雨に遭った体験者を対象外とした。体験者は、8月9日の来崎が想定される岸田文雄首相が、救済に向けた発言をするか注目する。
 大石知事に要望書を提出した岩永千代子さん(86)は、長崎で黒い雨を浴びた体験者を被爆者認定する妥当性を認めた県専門家会議の報告書について「客観的で合理的。これ以上のものはない。岸田首相も理解してくれるはず」と期待。山内武さん(79)は「必ず要望が通るように知事、県議会が共に頑張ってほしい」と求めた。
 大石知事は「国は報告書を分析、精査するという。しっかり取り組むよう、機会を捉えて働きかけたい」と応じた。


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