高齢者らに外出自粛要請 長崎・大石知事が会見 感染段階対応の目安見直し

 長崎県の大石賢吾知事は28日の臨時記者会見で、新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、重症化しやすい高齢者や基礎疾患がある人を守るため、感染リスクが高い場所への外出を控えるよう、高齢者らに呼びかけた。県内の感染状況を6段階で示すレベルについて、上から3番目の「2-Ⅱ(特別警戒警報)」を維持したが、「より実態に合わせる」として各段階の対応の目安を一部見直した。
 県内は3日連続で感染者数が2千人を超えた。知事は「高齢者は自身を守るため、より慎重に行動を」と強調し、人混みなどへの外出や大人数での会食を自粛するよう求めた。感染に不安がある人にも、高齢者らとの接触を3日間控えるよう訴えた。
 感染段階対応の目安は昨年11月、県が第5波をベースに改定。現在の第7波は重症化率や入院率など特性が大きく変化しており、県は「より実態に合った内容に見直した」としている。
 具体的には、最も低いレベル「0」を廃止し5段階に変更。レベルを判断する参考指標から、新規感染者数と療養者数を削除した。「1(注意報)」「2-Ⅰ(警戒警報)」「2-Ⅱ」は従来通り病床使用率を重視。さらに強い行動制限を要請する「3(危機事態警報)」「4(緊急事態宣言)」への移行は、経済活動に及ぼす影響が大きいため、医療従事者の感染増など社会機能の状況も踏まえ「総合的かつ慎重に判断する」とした。感染リスクの高い場所への外出自粛などは本来「3」以上で要請するが、高齢者らには2-Ⅱの時点で求める。
 自宅療養者の急増を受け、保健所は重症化しやすい人の健康観察などに注力する。これまで無症状者らは、看護師らが毎日電話などで健康状態を聞き取ってきたが、今後は本人が症状悪化時に窓口(健康観察センター)へ連絡。血液中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターも希望者のみに配布する。
 新型コロナの危険度は感染症法で2番目に高い「2類相当」に位置付けられていることについて、知事は「扱いを変えていくべきだが、医療費の支援制度などが必要になる。すぐに(インフルエンザと同じ)5類にするのは難しい」との見方を示した。


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