県内で通常診療との両立危機 新型コロナ患者急増、救急車受け入れに影響

新型コロナの小児患者の診療を行うため準備する医師=29日午後、下野市薬師寺(自治医大とちぎ子ども医療センター提供)

 新型コロナウイルスの患者急増に伴い、栃木県内の入院受け入れ病院で病床が逼迫(ひっぱく)し、通常診療との両立が危機にひんしている。医療従事者の感染も相次ぎ、確保病床を十分に活用できていない。救急車の受け入れにも影響。重症化しづらいとされていた子どもでも、入院が必要な患者が増えている。関係者は救急車の適正な利用や、子どもを含めたワクチンの接種を呼びかけている。

 「病院としての通常の機能が失われつつある」。宇都宮市の国立病院機構栃木医療センターの矢吹拓(やぶきたく)内科医長は危機感をあらわにする。

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