武将・隆景の “うたた寝” 小早川家の資料 現当主も歴史を築く 広島・三原市

三原城を築いた戦国武将・小早川隆景。広島・三原市で企画展が開かれています。その小早川家の22代目の当主が、先祖から伝わる貴重な資料を三原市に引き継ぎました。

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三原市の岡田市長と企画展の下見に訪れたのは、戦国武将・小早川隆景の子孫・小早川隆治さんです。こちらが、その隆景の肖像画です。

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戦国武将・小早川隆景の子孫 小早川隆治さん(81)
「この中で言えば一番価値のあるものなのかなと、わたしの視点から見るとですけど」

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肖像画は隆景が生きていた安土桃山時代に描かれました。隆景は、戦国時代に中国地方を治めた毛利元就の三男にあたります。1567年に三原城を築き、豊臣秀吉から現在の愛媛県や九州北部を与えられた後、晩年は三原で隠居しました。

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小早川隆治さん
「毛利の家紋が付いている。要は毛利として小早川秀秋以降、ものすごく大事に保管してきたものだろうと」

実は隆治さんも、ある業界で歴史を作った1人として知られています。

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マツダに務めていた隆治さんは、現役時代に「RX-7」3代目の主査を務め、1991年の「ルマン24時間レース」では技術責任者としてマツダを日本初の総合優勝に導いたのです。

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退社後、しばらくして隆治さんは、後世に小早川家を伝えてほしいと、代々、保管していた資料を隆景の縁の地である三原市に寄付してきました。

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こちらがその1つ、「陣羽織」です。安土桃山時代以降のもので、小早川家の紋である「左三つ巴」があしらわれています。

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このほか「兜(かぶと)」など、寄付した資料は30件近くあります。

小早川隆治さん
「いろんな人に見てもらえるように展示して、今後も活用いただけることは、はるかにありがたいし、うれしい」

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今回、新たに肖像画など8件を譲ることにしました。

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一度は途絶えた小早川家の再興にあたって、1880年に毛利家当主だった元徳が送った書状や、「急ぎ返事がほしい」などと緊迫した様子が書かれた隆景直筆の書状など、どれも貴重なものばかりです。

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三原市への引き継ぎ式では、隆景がうたた寝する姿が描かれた資料などがお披露目されました。

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小早川隆治さん
「歴史的なものが後世に語り継いでいけるようになるということ、非常に重要なポイントになると思いますので、本当にうれしく思います」

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三原市 岡田吉弘市長
「直接、譲り受けることは身の引き締まる思いです。特に子どもたちにも多く見てもらって、ぜひ歴史に思いをはせてもらえらたら」

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三原リージョンプラザでは、「小早川隆景展」が始まり、今月15日まで寄付などされた数多くの資料が展示されています。

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戦国武将・小早川隆景の子孫 小早川隆治さん(81)
「間違いなく隆景公もこういう形で展示して、多くの方に見てもらい、一番喜んでいるんじゃないかなと思いますね」

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