四国総体・ホッケー女子 川棚が大健闘「銅」 2年後の地元総体へ弾み

【ホッケー女子準決勝、川棚―丹生】第2クオーター、懸命に守る川棚のMF山内(右端)ら=徳島県阿南市、阿南光高等学校ホッケー場

 真夏の太陽に照らされて、胸にある銅メダルが一段と輝いた。ホッケー女子準決勝後に行われた表彰式。過去最高の4強入りを果たした川棚の選手たちに、惜しみない拍手が送られていた。真っ赤に日焼けした顔をほころばせるのは主将のMF山内。「夢みたい。このメンバーでここまで来ることができて、本当にうれしい」
 準決勝で戦った丹生(福井)は強かった。スティックをまるで体の一部のように扱い、迫力満点でボールを奪いに来る。その中で川棚は辛抱強く耐えしのぎ、0-1の第2クオーター10分には、FW山口が獲得したペナルティーコーナーからゴール目前に迫る見せ場をつくった。結果は0-3で敗れたが、達成感は大きかった。
 2016年以降、長崎県内の高校で女子チームがあるのは川棚だけになった。11人で戦うホッケーで、現部員数はマネジャー2人を含めて15人しかいない。それでも、今回戦った丹生など強豪校に出向いて練習試合を組んでもらい、コロナ禍で遠征すらままならない時期はOGたちの胸を借りて強化を続けてきた。支えてくれた人も含めてみんなでつかんだメダルは、金に負けない重みがある。
 ホッケーは24年北部九州インターハイで長崎県開催が決まっている。今大会、川棚の1年生4人は先輩たちの快進撃をベンチで見守り続けた。そのうちの1人、FW長谷は「頑張っていて、とても格好よかった」と刺激を受けた様子。彼女たちが2年後の主役となる。


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