「BA・5対策強化宣言」発令きょう決定 栃木県内2859人コロナ感染

福田知事が「BA・5対策強化宣言」発令を表明した県議会臨時会議=3日午前、県議会本会議場

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、福田富一(ふくだとみかず)知事は3日の栃木県議会臨時会議で、政府が新設した「BA・5対策強化宣言」を発令する考えを明らかにした。4日夕の対策本部会議で正式決定する。関係者によると、期間は5日から1カ月程度で、高齢者や持病のある人に混雑した場所などへの外出自粛を要請する見通し。県と宇都宮市は3日、新たに計2859人が感染したと発表した。

 県は宣言発令の一方で、警戒度レベルは5段階で真ん中の「レベル2(警戒を強化すべきレベル)」を維持し、観光需要回復を目指す支援事業「県民一家族一旅行」は継続する方針。

 宣言は都道府県が独自に発令できる。2日現在の病床使用率は54.9%で、昨年夏の第5波のピーク時(62.9%)に迫る。入院受け入れ医療機関でも感染が相次ぎ、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)度が増している。

 宣言を発令すると、政府から職員の派遣や対策の助言などを受けられる。コロナ特措法に基づく緊急事態宣言やまん延防止等重点措置とは異なり、罰則を伴う私権制限はない。関東1都6県では、神奈川県と埼玉県が既に発令している。

 県内の累計感染者数は13万5087人となった。

 高齢者施設で療養中に容体が急変した80歳以上女性が7月30日、入院中だった80歳以上男性が3日にそれぞれ死亡し、県内の死者は計312人となった。

 新規感染者は10歳未満~100歳以上の男女。40代以下が74.8%を占め、30代493人、40代485人、10歳未満405人、10代383人などと続く。足利市内の高齢者施設で2件のクラスター(感染者集団)が発生し、それぞれ計8人と計5人が感染した。

 入院者316人、宿泊療養者469人、自宅療養者(療養先調整中含む)2万3241人、重症者10人。

 【3日の市町別感染者数】宇都宮市889人、小山市238人、栃木市164人、真岡市161人、那須塩原市157人、鹿沼市136人、佐野市132人、足利市、日光市各115人、大田原市108人、さくら市87人、那須烏山市74人、下野市72人、壬生町50人、上三川町46人、益子町41人、矢板市40人、野木町39人、高根沢町29人、芳賀町28人、那須町26人、那珂川町20人、茂木町19人、市貝町11人、塩谷町10人、県外52人

「BA・5対策強化宣言」発令を表明する福田知事=3日午前、県議会本会議場
新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

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