オープニングショーで天井から垂れ下げた布を団員がつかんで演技している。すごい勢いで回っているが、どうして破れないのか。
布は特注で、大人が数人ぶら下がっても耐えられるほどの強度と伸縮性を備えた合成繊維。観客席からは2本が垂れ下がっているように見えると思うが、実は長さ約30メートルの1本を天井で折り返して使用している。天井から1本つり下げるのに比べて、布にかかる負荷が分散できるからだ。
布の表面はつやつやしていて滑りやすく、エアコンの風でなびくことがあるため、演技時にはしっかりとつかむ必要がある。技によっては格好良く見せるため布の伸縮性を最大限に活用する必要があり、考えてみるとかなり乱暴に扱っている。
ただ、私は入団7年目になるが、いまだに練習中も含めて破れたところは見たことがなく、補修もした覚えがない。もちろん、安全確保のため点検は常時行っている。出演者が言うのも変だが、「本当に丈夫な布だ」と改めて感心している。
<早田神龍さん(25)=オープニングショーなど担当>
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