西日本豪雨の記憶や教訓、後世に 総社の住民や学生、岡山で報告会

災害の記憶や記録の伝承について住民らが話した活動報告会

 西日本豪雨の記憶や記録、被災から得た教訓を後世に伝える活動に取り組む住民による報告会が6日、岡山市北区南方のきらめきプラザで開かれた。

 2018年7月の豪雨で甚大な被害を受けた総社市下原地区で自主防災組織の副本部長を務めている川田一馬さん(73)が登壇した。

 川田さんは、同地区では一人の犠牲者も出さず、住民が避難できた事実を伝えるため、当時の体験談などをまとめた記憶誌を昨年作成したことを紹介。「被災した一人一人が生き延びようと力を尽くした姿が伝わるよう工夫した。記憶誌を手に取り、『生きる』ということをいま一度考えてもらいたい」などと述べた。

 ノートルダム清心女子大(岡山市)の文学部4年の藤本瑠奈さん(21)らは、復興に関わったボランティア団体や自治体などに聞き取りを行い、防災や復興に役立つ報告書を作ったことについて話した。

 報告会は被災した歴史資料の修復、保存に取り組むボランティア団体「岡山史料ネット」が主催しており、19年から毎年開いている。今回はオンラインを含めて県内外の約30人が聴いた。

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