原爆犠牲者を追悼 長田小児童が「平和への誓い」 諫早・百日紅公園で慰霊祭

「平和への誓い」を読み上げる西山さん=諫早市、百日紅公園

 息絶えた被爆者が荼毘(だび)に付された長崎県諫早市天満町の百日紅(さるすべり)公園で11日、慰霊祭が営まれ、被爆者や市民らが核廃絶への思いを胸に刻んだ。地元の被爆2世団体と継承活動を通じて交流がある市立長田小から初めて児童代表も参列し、「平和への誓い」を読み上げた。
 同公園にはかつて市営火葬場があり、長崎から救援列車で逃れ息絶えた被爆者らが運び込まれた。火葬された数は400~500体とされる。2020年に被爆者や2世が中心になって慰霊碑を建立した。
 式は同市原爆被災者協議会、長崎被災協・被爆二世の会・諫早が主催し、両団体の関係者ら約50人が参列。同校5年、西山陽菜子さん(10)は「平和への誓い」で「私が将来、学校の先生になったら、子どもたちに戦争のことを教えて、10年後、100年後、千年後とどんどん未来に被爆2世の方々の思いを広めていきたい」と力を込めた。この後、市民や小栗学童クラブの子どもたちが折った千羽鶴を参列者が奉納した。
 叔父を捜しに入市被爆した諫早被災協の小松タヅエ会長(88)は取材に「焼け野原となり、黒焦げの遺体が転がった爆心地付近のあの光景を今も忘れることができない。叔父は結局見つからなかった。長崎とウクライナを重ね、平和を願わずにはいられない。長崎を最後の被爆地にしなければ」と話した。


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