長崎の伝統行事「精霊流し」 にぎやかに、しめやかに故人送る

時折強い雨が降る中、にぎやかに、しめやかに故人の霊を西方浄土へ送り出した精霊流し=長崎市江戸町

 初盆を迎えた故人の霊を西方浄土へ送り出す長崎の伝統行事「精霊流し」が15日、県内各地であった。今年は3年ぶりに行動制限がないお盆。長崎市の旧県庁前沿道にはマスク姿の見物客が詰めかけた。
 県警によると、県内で2メートル以上の精霊船は677隻(同日午後5時現在)。前年(428隻)の約1.6倍となった。同市は新型コロナウイルス対策として、少人数かつ短時間で船を流すよう呼びかけた。
 寂しくも、にぎやかな長崎の盆の風物詩。同市内では夕方から、悪霊を払うとされる爆竹やかねの音が鳴り響き、故人を思いながら家族や友人らが船を引く光景が続いた。


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