終戦から77年 長崎で不戦の集い 憲法9条「心に刻んで」

碑の前に献花し、戦争犠牲者を追悼する被爆者(右)=長崎市

 終戦記念日の15日、長崎市平野町の「核廃絶人類不戦の碑」の前で「ナガサキ不戦の集い」があった。被爆者や高校生ら約20人が参加しロシアのウクライナ侵攻や軍事的緊張が高まる台湾情勢などを念頭に「一日も早く平和を」と願った。
 長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(81)は憲法改正や防衛費増額の動きに警戒感を示し、「東アジアの緊張を高める危険な姿勢。憲法9条は戦争をしないという人類の到達点。再び戦争の惨禍が起きないよう憲法を心に刻もう」と呼びかけた。
 被爆証言を記録する市民団体「長崎の証言の会」の森口貢事務局長(85)は、長崎で空襲に遭った自身の記憶を振り返り「同じことがウクライナで起き、人々がミサイルにおびえ逃げ惑っているのは見るに堪えない」と述べた。
 最後に活水高1年の引地志歩さん(16)、山田佳音さん(15)が、所属する平和学習部で作った「平和宣言」を読み上げ「長い年月を経て受け継がれた平和への祈りを、世界中の人々に発信していく」と誓った。
 集会は証言の会などが8月15日と、太平洋戦争が始まった12月8日の年2回開き、80回目。


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