他人を思いやる心 「論語」で学ぶ 矢掛・山部教育長が授業始める

漢字の意味を身体表現で伝える山部教育長(左)

 岡山県矢掛町の山部英之教育長は、儒学の祖・孔子の言行録に当たる「論語」を題材に、他人を思いやり、仲良くする事の大切さを伝える授業を町内の小学校で始めた。

 7月28日に矢掛小(同町矢掛)で最初の授業があり、児童クラブに通う約60人が参加した。低学年には、「仁」や「義」など、孔子らが唱えた五つの徳目を、子どもたちと一緒に「じんじんじん」などと声に出して言葉に触れ、思いやりの心という漢字の意味や成り立ちを説明した。

 「己の欲せざる所、人に施すことなかれ」という言葉では、どうして自分が嫌なことは他人にしてはいけないのか、子どもたちに理由を聞くなど学びを深めていった。5年の児童(11)は「友だちを思いやる大切さが改めて分かった」と話していた。

 山部教育長は、前任の就実小(岡山市)校長時代、論語教育に取り組んでいたことから、町の人権啓発担当部署が講師を依頼。今後、町内の全7小で実施する計画。

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