増加傾向にある自殺の未然防止につなげようと、中央図書館(岡山市北区二日市町)は関連書籍を紹介するコーナーを特設している。悩む人へのメッセージを詰め込んだ随筆や子どもにも理解しやすい絵本など多様なジャンルの約40冊が並ぶ。9月28日まで。
自らの携帯電話番号を公開して自殺相談を受ける作家・坂口恭平さんの随筆「苦しい時は電話して」、いじめで悩む子どもに向けた漫画タッチの絵本「いきのびる魔法」(西原理恵子著)などを表紙が見える状態で展示。コーナーでは気になる一冊を手に取り、借りる人の姿もある。
岡山市こころの健康センター(086―803―1274)といった相談先をまとめた「こころの健康マップ」や、24時間対応の岡山いのちの電話(086―245―4343)などのリーフレットも配布している。
県内の昨年の自殺者数は318人で前年から約2割増。背景には長引く新型コロナウイルス禍の影響があるとの指摘もある。
企画した司書の三船充是さん(47)は「自殺を防ぐには社会の理解が不可欠。示唆に富む書籍が多く、閉塞(へいそく)感が漂う現代を生きるヒントにもなるはず」と話している。