桜満開の金峯寺 井原線橋脚に描く 真備中美術部員制作の壁画完成

壁画の完成を祝う真備中美術部員や倉敷真備LCのメンバーら

 倉敷市真備町地区を走る井原線の橋脚に、真備中(同市真備町箭田)の美術部員が描いていた壁画が完成した。金峯寺(同町下二万)に咲く満開の桜や緑を濃淡のコントラスト豊かに表現した力作で、部員たちは「多くの人に見てほしい」と話している。

 同中北側の橋脚に描かれた壁画は、縦3メートル、横1.5メートルの大画面。昨年始まった「残したい真備の風景」シリーズの第2弾として、金峯寺の境内や裏山を染める桜、近景の木々などを少しずつ異なる色で何度も塗り重ね、奥行きの感じられる作品に仕上げた。

 3年生9人を中心に、6月中旬から制作を進めていた。壁画を描きたくて美術部に入ったという3年高崎藍華部長(14)は「大きな作品を仕上げることができて達成感がある。満足いく出来栄えで、真備の皆さんや道行く人に見てもらえたら」と話す。

 壁画制作は倉敷真備ライオンズクラブ(LC)が2005年から取り組む事業で、本作が19作目。制作を同中に依頼し、LCは塗料を提供するなどサポートしている。

 8月25日に完成式が開かれ、部員とLCメンバー、井原線井原駅の鳥越肇駅長ら約30人が参加。同LCの門川新界会長は「素晴らしい絵が完成した」と生徒たちの頑張りをねぎらい、金峯寺の青山光忍住職(73)は「生きる喜びに満ちた絵。寺の桜が若者の心にも『真備の風景』として映っていることがうれしい」と相好を崩した。

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