スーパー耐久第5戦もてぎの予選日にカワサキとトヨタが二輪用水素燃料直噴エンジン車をお披露目

 9月3日、ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第5戦『もてぎスーパー耐久 5Hours Race』が行われている栃木県のモビリティリゾートもてぎで、川崎重工とトヨタ自動車が『モーターサイクル用水素燃料直噴エンジンを搭載した研究用オフロード四輪車』を公開した。

 このオフロード四輪車は、川崎重工の『Ninja H2』をの998cc直4スーパーチャージドエンジンをベースに、水素燃料の筒内直接噴射(直噴)仕様へ改良したというもの。車両は川崎重工の北米向け四輪車『TERYX KRX』をベースに、水素燃料タンクや燃料供給系統を設置するために大幅なレイアウト変更を行ったというものだ。

 スーパー耐久では、2021年から参戦を開始したORC ROOKIE Corolla H2 conceptの活動を起点に、水素の利活用に向けて水素を“つくる”、“はこぶ”、“つかう”の仲間を増やしてきた。

 そんななか、2021年11月に開催されたスーパー耐久第6戦岡山では、マツダ、トヨタ、スバル、ヤマハ、カワサキの5社の社長が出席し、カーボンニュートラルの実現へ内燃機関活用のさらなる広がりに向けた取り組みについて発表したが、このなかで川崎重工、ヤマハ発動機が二輪車等での水素エンジン開発の共同研究の可能性について検討を開始。さらにホンダ、スズキも加え、4社で二輪車における内燃機関を活用したカーボンニュートラル実現への可能性を探っていくとしていた。

 そんな活動がこの日、ひとつのかたちとしてモビリティリゾートもてぎに登場した。予選日にあたる9月3日、ストレート上で川崎重工の橋本康彦社長、GRカンパニーの佐藤恒治ブレジデントともに二輪用水素エンジンで動くバギーが公開され、さらに川崎重工、スズキ、ヤマハ、ホンダのスタッフらとともに写真に収まった。

 オフロード四輪車には川崎重工をはじめデンソー、ホンダ、スズキ、ヤマハ、トヨタ、産業技術総合研究所のロゴが入るが、今後これらの企業で取り組んでいくカーボンニュートラルの実現に向けた『二輪車等小型モビリティ用水素燃料エンジン』の研究用素材のひとつとして活用していく予定だという。

 バギーはモビリティリゾートもてぎのストレートでお披露目された後、川崎重工の橋本社長が助手席に、そしてドライバー“モリゾウ”としてORC ROOKIE Corolla H2 conceptをドライブしているトヨタ自動車の豊田章男社長が運転席に収まり、ストレートを走行。ファンにその姿とサウンドを披露した。

川崎重工とトヨタ自動車が公開した『モーターサイクル用水素燃料直噴エンジンを搭載した研究用オフロード四輪車』
モーターサイクル用水素燃料直噴エンジンを搭載した研究用オフロード四輪車をドライブするトヨタ自動車の豊田章男社長と川崎重工の橋本康彦社長
豊田章男社長のドライブでもてぎのストレートを走るモーターサイクル用水素燃料直噴エンジンを搭載した研究用オフロード四輪車
豊田章男社長のドライブでもてぎのストレートを走るモーターサイクル用水素燃料直噴エンジンを搭載した研究用オフロード四輪車
コースに入るモーターサイクル用水素燃料直噴エンジンを搭載した研究用オフロード四輪車

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